2011年12月9日金曜日

いも(ず)る読書 森鴎外の「帝都地図」

森鴎外の「帝都地図」隠された地下網の秘密

都市伝説というのは、概ね街の記号を上手く仕立てて「ほら」を吹く。真実をまぶす絶妙な物語設定が著者の腕前になる。この「森鴎外の「帝都地図」」はまるで壮大な(江戸城)フィクションを読んでいるようだ。でもノンフィクションなのだ。
まず立ち読みをお勧めする。はまれば 一機に読み切るに違いない。
秋庭俊 さんは「東京の地下」にこだわっている元テレビ朝日ディレクター。数々の賞に輝く敏腕映像ジャーナリストだ。とにかく真偽の検証云々の前に面白い。
さすがジャーナリスト、資料の仕立て方がすごい。少なくとも私の知っているレベルの真実がたっぷり含まれているので、驚愕の真実が広がるのだ。

江戸の街は オランダ式城塞都市理論の元で築城された。その設計はイギリス人三浦按針とオランダ人ヤン=ヨーステンが深く関わっている。ドイツ中西部のミュンスターの築城図と江戸を重ねると驚くほど一致する。そしてそこには 欧州の築城技術に必須だった「地下計画」も一緒に設計されている。江戸の街は(江戸城)は多くの地下通路で結ばれていた。そしてその地下のネットワークが明治政府に受け継がれ「極秘扱い」された。
というのだ。ではそこに「森鴎外」はどう関わっているのか?
これが この本のメインテーマになる。
明治、大正時代まで詳細地図は高度な軍事機密だった。首都東京の地図も同様で、重要な軍事施設はごまかして表現されたという。その軍事的秘密を含んだ東京中心部の地図を 当時陸軍軍医のトップにいた「森林太郎」がすっぱ抜いたというのだ。
何故だ!? あとは 読んでのお楽しみ。
若干 展開に無理があるのでは という部分もあるが 概ね説得力を持つ。
この森鴎外の地図復刻版が(綴じ込み)付録になっているから徹底している。
この地図の発行年が「明治四十二年六月」となっている。1909年6月、まさに横浜が開港50周年を迎えるために森鴎外に市歌の作詞を依頼した年である。
(鴎外全集の日記に首を突っ込む。この地図に関する記述は全くない)

森鴎外の「帝都地図」隠された地下網の秘密
秋庭俊 著 洋泉社 

秋庭俊のサイト

因みに私が今追いかけている横浜市歌の謎に この本は すばらしい情報を提供してくれた。

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