2012年7月12日木曜日

No.194 7月12日(木)ソシアルビジネスの鏡

一行の出会いでした。
膨大な年表に朝田又七という名を見かけました。
「1902年(明治35年)7月12日)の今日、朝田又七が水道事務を分掌した」
という記述でした。
資料を調べていくうちに、彼はまさに明治時代の横浜を生きた実業家であり政治家として八面六臂の活躍をした人物である片鱗が見えてきました。
これをきっかけに追いかけてみたい魅力ある横浜に因んだ人物の一人です。

1889年(明治22年)4月1日、横浜市を初め30の都市が「市」となりまます。
 (明治21年4月17日法律第1号 市制第126条)
法人格を持つ地方自治体の誕生です。
自立した横浜市は神奈川県から一部権限を委譲されますが、
代表的な事業の一つが水道の経営でした。
当時人口12万人を擁する横浜市にとって
“ペスト、コレラ”対策に上下水道事業は待ったなしの緊急課題でした。
初代神奈川県営水道事業の責任者、三橋信方(後の横浜市長)から
横浜市に事務移管が行われ、市はそのために経営委員会を設置します。
最初の代表(現在の水道局長)として
 朝田又七が水道事業を担うことになります。
その後 朝田又七は、横浜市水道(事業)局の責任者を4回も担当します。
2代目、4代目、6代目、そして8代目です。
横浜で最多(最長)の水道局長となった人物です。
冒頭の
「1902年(明治35年)7月12日」は
朝田又七が第6代水道事務分掌者(初代水道局長)となった日です。
2代目(明治24年〜?)
4代目(明治28年〜明治32年)
 1895年(明治28年)取水を道志川に変更工事開始(〜1997年)
6代目(明治35年〜明治36年)
 ※1902年(明治35年)横浜水道事務所を横浜市水道局に改称
8代目(明治43年〜大正3年)
彼の代表的な功績は、横浜市の水源を道志川の“より効果的な取水場所”に移す大事業を成功させたことでしょう。

(企業育成の名人)
この朝田又七、本業は実業家です。
1838年(天保9年12月)愛知県豊橋に生まれ、
1861年(文久元年)横浜で事業を始めます。
回漕店で岩崎弥太郎の信頼を得、三菱商会の艀業務をとりしきります。

その後、横濱船渠株式合社(三菱造船)取締役を経て社長となります。
(民間が築造した石造ドックでは最古)
彼の職歴はこれだけではありません。
横浜鐵道(現在のJR横浜線)の社長
第二銀行、横浜実業銀行、明治生命の取締役
公職としては水道局長だけではなく、
横浜市会議員、横浜市議会議長、貴族院議員を歴任します。

1911年(明治44年)10月に設立した
猪苗代水力電気株式会社の監査役にも就任していますが、
当時“電力”は最大顧客の鉄道関係者による経営が多かったようです。
現在の電力会社も原点に戻り利用者(国民)の視点で経営をして欲しいものです。
残念ながら朝田又七は1914年(大正3年)1月6日、8代目水道局長在任中に亡くなります。地味ながら公共性の高い、社会貢献の事業に尽力してきた記憶に残したい明治の横浜人といえるでしょう。
水道関連

No.291 10月17日(水)横浜水要日!
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No.152 5月31日(木) もう一つの近代水道発祥の地
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No.151 5月30日 100年前の先見性
1916年(大正5年)5月30日付けで
道志村水源林を横浜市が買い上げる契約が結ばれた日です。
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No.121 4月30日  日本にCivil engineeringを伝えた英国人
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(長谷川伸は少年の頃 横濱船渠で働いていました)
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